山中ヒデ之の雑記帳

スケジュールや雑感、メモなどなど

音楽を辞めるタイミング

って何なんでしょうね。ふと立ち止まるようなことがあると、よく考えるテーマです。

 

音楽家はいつ音楽を辞めるのか?
結婚した時?子供が出来た時?田舎の実家に帰る時?親が倒れた時?

はたまた
自分に才が無いと自覚したとき?怪我や病気をした時?死ぬまで?

 

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人それぞれに理由や事情があり、また音楽との付き合い方も人それぞれ。
それだけに命を懸けて生活をする人もいれば、暮らしの中の余暇で音楽をする人もいるわけで。
どちらが良いかどうかということは一概に語れません。

 

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印象的だった話を一つ。
僕がまだ学生生活を終えたばかりで、音楽家としてどう生きていくかも分からない頃の話。

当時習っていた師匠のバンドに有難くも起用されました。

 

そのバンドには僕より年下だけど、やはり同じ師匠についていた、兄弟子にあたるサックスプレイヤーが居て、仲良くしていました。
彼は、技術が僕よりずば抜けて長けているものだから、よく落ちこぼれの僕の練習に付き合ってもらったりしていました。

 

僕の方が年上なので、ある程度敬ってくれながら、ヒデさん!その音符には符点がついてますよ!など教えてくれたのでした。
今考えるとちょっと難しい関係だけど、上手に付き合ってくれていたなぁ。

 

元気かなー

 

元気かなーと言ったのは、彼はどうやらバンドを、音楽を辞めてしまったらしいのです。
辞めてしまったらしい、というのは、僕が先に師匠のバンドを離れた後、彼も辞めたらしいということを風の噂で聞いたからです。

彼の場合はそのバンドを辞めたということだけでなく、サックスも仕舞ったとのことでした。

 

彼が音楽を辞めた理由は、所帯を持つことになったからだそうです。
所帯を持つのに、彼のスタンスでは音楽は続けられない、だから辞めたそうです。

 

衝撃的でした。僕なんかよりよっぽど気合を入れてサックスに打ち込んでいましたし、誰から見ても、あいつはプロでバリバリ稼いでいくんだろうなあ、という人でしたから。彼自身、とても瞳がギラギラとしていた。

まさかアイツが辞めるとは、、、にわかに想像しがたかったです。

 

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その想像しがたい苦しみについて考えてみることがあります。
音楽は続けたい。でも目の前の女性を家族として迎えたい。
この狭間に立った彼の悩み様は凄まじいものだったに違いありません。

 

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とても上手く言えないのですが。
僕は上記のエピソードがずっと気になっています。
人生の不正確さとか、偶発性とかそんなものが凝縮されているからかな。
「すごく人間らしいエピソード」として僕の記憶の片隅に長いこと居座っています。